Dell Latitude 3510 の分解とメモリの交換

※このメニュー内に記載している内容はケーススタディ 事例検証として個人的な見解を記したものです。

DellのSupportAssistというソフトからエラーのお知らせがあったのでトラブルシューティングするとシステムメモリの交換が必要と表示されました。

パソコンの仕様

メーカーDELL Latitude 3510
CPU第10世代 Intel® core(TM) i5-10210U(PassMarkスコア6494)
メモリ8GB PC-4-3200 (DDR4-3200)
ストレージSSD 256GB
光学ドライブなし
OSWindows10 Pro 64bit

会社支給のパソコンですが当初から文字入力で急にカーソルが飛んでしまうような動きがあったのでどこか不具合があると思っていました。自分でPCを開けて調べようかとも思いましたが保証関係なんかで問題がでるかもしれないからやめてました。社内のシステム担当者に連絡したところ、そのままサポートに連絡してくださいとのこと。

どうせだから電話ではなくサポートソフトを使って連絡してみました。

Support Assistは便利 (DellのPCに入っているサポート用ソフト)

このDell のノートPCに入っていた「Support Assistant」はBIOSもふくめたハードウェアのドライバ更新などをおこなってくれます。とても便利です。ファイルのクリーンナップも含めたパフォーマンスの調整などの機能もあり、今回はメモリエラーからのサポート希望の連絡もおこないます。

赤枠の「オンサイトサポート(パソコンを使っているところで直すこと)を希望します」にチェックを入れて「次へ」で住所や連絡先など記入して送信しました

デル カスタマーサポートです。

朝に送信して昼頃に連絡がありました。住所の入力に文字化けがあった為、その確認と修理日程の調整がありました。メモリが先に送付されてその後で修理の担当者が来社するとのことでした。システムメモリはそのままパーツのメモリの交換で間違いないようです。
メモリの交換でわざわざ来てもらうのも申し訳ないけど、メーカーにしてもらわないと保証が切れたりするんだろうか、、ダメもとで聞いてみました。

わざわざ来てもらうのも申し訳ないんでメモリだけ送ってもらうことはできないですか?自分で交換できそうなんで、、

送付のみをご希望ですか?交換の際はケガなどにご注意ください

出来るんだ。

パーツだけ送ってもらって自分で交換は全然有りなようです。ただ、怪我にはご注意くださいとのこと。こういった心遣いのおかげでパソコンを分解する際は慎重な作業ができたと思います。
Dellカスタマーサポート担当者様、ありがとうございます。

Latitude 3510の分解とメモリの交換

DELLによる公式分解ガイドページ ありました (静電気に関わる注意点なども記載がありますのでご確認ください)

まずはノートパソコンにつけていた機器を電源も含めて全部外します。バッテリーも外したかったんですがこの機種はバッテリー内臓式なのでこの時点では無理です。

目に見える範囲のネジを外します。このネジは緩めても蓋から外れないようにできているようです。
1本くらいネジが無くなってもパソコンの動作には影響しませんが気分はあまり良くないのでこういう仕様は素敵ですね。

ヘリの部分をへらで慎重に外していきます。外す方に力をかけると「パンッ」と外れていきます。画像は鉄製のヘラを使っていますが本体に傷がつきそうなところはプラスチックピックも使っています。DELLの公式ガイドでは裏向けたまま右上のヒンジ部分から外すように指示されていますので要ご確認ください。

また、DELLカスタマーサポートから伝えられた怪我をしそうな箇所がこの作業だと思います。力の入れ具合でへらが滑ってしまい手をどこかに強打する場合があるので慎重に作業ください。

dell Latitude 3510

うわ、今こんなんなってんのか

赤枠はメモリ
黄枠はWi-Fiデバイス
オレンジ枠はSSD(M.2)
緑枠部分はバッテリーからの電源供給端子(だと思います)

ものすごくわかりやすい配置だと感じましたしパーツが小さい。左下の銀箔の部分はSATA2.5インチのハードディスクやSSDを入れるところのようですがSATAの端子があるような感触だけで空になってます。オレンジ枠のM.2 SSD 256GBがこんなに小さいのであればごっそりデッドスペースになってても納得です。

2.5インチドライブの部分にM.2 仕様の端子があるかを確認しようかとも思ったのですが今回は趣旨じゃないので我慢しました。8GBメモリですが4GBx2ではなく、メモリスロットルが一個開いている仕様でしたから今後増設するときもメモリ選びに迷いがなくなります。

7,8年前のノートパソコンの場合、開けたらすごく工夫してメモリスロットルのスペースを確保してパーツでぎゅうぎゅう詰めという感じで設計者の苦労を感じていました。

このPCのような仕様であればスペースにゆとりがあって分解作業しても壊しにくいし、壊れてもパーツ交換しやすいです。"中身スカスカ”は電化製品に対して誉め言葉ではないですが、このスペースの使い方のスカスカは分解する人の事を考えた設計ではなかろうかと思いました。

dell Latitude 3510 メモリ

DELLの分解ガイドには記載はなかったのですが、習慣的なもので「アクセスパネルを取り外して、バッテリーケーブルを外してください」と書いていましたので(よく読んだら一文書いてた。でも、アクセスパネルってなんだろう?)、バッテリー供給と思われるところを外しました。

(真ん中は外し難かったです。力いっぱい入れると断線しそうでした。後で見返すと一番右は関係ない気もします。またマザーボード上部にも電源だったのでは?という端子がありました。つけたままでも問題ないのかもしれませんが、習慣的なもので自己責任で外しています。)

バッテリー電源端子外す → メモリ交換する → バッテリー電源端子戻す

(分解ガイドではメモリの上にやわらかい保護カバーがあるような仕様でしたが、こちらにはありません)
( よく見ると右画像バッテリーに”Disconnect The Battery Before Accessing Any parts or Devices"「パーツやデバイスを取り外す前にこのバッテリーとの接続を切ってください」と書いていますね )

ケースは抑えるとまた「パチッ」とはまってくれます。はまる箇所をそれぞれ押さえつけていく感じです。思ったよりも力がいりますが、ズレて割ってしまったはあるあるネタなので慎重におこないます。ケースをつけたらネジを適度な強さで締めます。

パソコンを開くとなぜかWindowsが立ち上がっていました。抑えたときに電源ボタンを押してしまったのだろうか?もしかしたらバッテリー接続端子を取り付けたら、そのタイミングで起動する仕様なのか??

ちょっと焦りましたがハードディスクドライブの時代とは違って光学式ドライブ(SSD)なので動作している時にパソコンを動かしてもよっぽどでなければ壊れないのでいいですね。

SupportAssistで各種チェックを行いましたが問題なくこれで作業完了です。


Cru (お客様による交換が可能なユニット) の Latitude 3510 の分解、取り外しガイド リンク

【概要: Latitude 3510 ノートブックの部品を安全に取り外し、交換するためのガイドを Dell安全で、誰でも安全であると考えています。】

(DELL Latitude3510 分解ガイド リンク先の記載。ほんとにこう書いている。)

ガイドをDELL、安全で、誰でも安全」、ガイドが出てるっていうダジャレだろうか? あと、安全感がすごい。


Latitude3510のメモリ交換して、やっぱり気になった事  

メモリ交換の前のバッテリー電源端子取り外しはやっぱり必要だったのではないか

分解時の画像を改めて見直してみたところ、バッテリーに英語で「パーツやデバイスを取り外す前にこのバッテリーとの接続を切ってください”Disconnect The Battery Before Accessing Any parts or Devices"」と記載されているので、やっぱりメモリの交換の前にバッテリー接続端子を取り外していて正解だったのでは?と思いました。分解ガイドの分りやすいところにその記載はないですが、電化製品や工具類に至るまで電子部品の作業を行う前の基本だと思いますので上記ではおこないました。にも一文記載がありました(訂正)

[交換するためのガイドをDELL、安全で、誰でも安全]から考えること
 →現在の電子機器のメイン市場は英語を理解する地域と人がメイン 英語が標準ですね

不自然な日本語と微笑ましい話題のようですが、日本市場は過去の規模よりも縮小して捉えられている状況なのだろうと考えました。

パソコン製造のメイン企業が海外メーカーばかりになって久しいです。これまで電化製品は日本製が一番という時代を経て現在を考えると下記の点なんかは異質なものなのではないでしょうか。

・サービスマンが行きます。でも希望すれば自分で直してもらっていいです。
 なおかつ保証内容・期間は変わりません。というサポート
・やや不自然な日本語だけど大まかな意味では行き届いたガイドサイト
 さらに詳しい情報は英語サイトを参照する必要がある

DELLはアメリカの企業です。日本の電機メーカーの対応では聞いた事がありませんが、BTOパソコンの歴史を作った企業なのでユーザーのパーツの交換にも寛容なのは理解できます。問題は解決するために必要な情報を得るため英語が標準ですよという状況だと思います。
メイン市場は英語なので日本語のサイトを参照しても十分な情報を得られない時代。という事を再認識しました。

他のITサービスを利用していても感じていたことですが、主要なWEBサービスやそのプラグイン、日本が撤退した分野の製品のサポート・ヘルプページのメイン顧客はあたりまえですが英語を使う方です。

分解ガイドが十分理解できる日本語文章で備わっていたことはありがたかったのですが、自分でするパーツ交換も含めて製品使用方法を知る方法や修理の習慣の変化を感じずにはいられませんでした。

英語は勉強するものでも能力を測るものでもなくなっていた。現場で働く私にもそう言わざるを得ない状況が数年後あるのではないでしょうか。

デジタルトランスフォーメイション=DX=デジタルへの転換、は、生活の中で英語も読んでいくことへの転換もセットにしているとしたら、これは想像よりはるかに大きな変化だと思います。

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